Toshio Kamitani Design

BORN TO RUN 走るために生まれた クリストファー・マクドゥーガル 近藤隆文訳

2016/11/24

☆☆☆☆☆

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数ヶ月前の週末を

京都で過ごしていた

ふと病気して療養していた時に

よく散歩していた山科疎水へ

朝早く目覚めたので向かった

どうせならとちょっと走ってみようと思ったのは

数日前に読み終えた村上春樹さんの著書

「走ることについて語るときに僕の語ること」が

原因だろうと思うのは

僕が走ることを最も苦手としていたからだ

この著書で走るということが

僕にとって苦手であろうがなかろうが

憧れとなってしまっていたからだ

 

天智天皇陵を横切り

緩やかな坂の細い路地を登ると

山科疎水に出る

重い水がたっぷりと京都市内に向かう

僕はその流れに逆行して歩き出し

そして軽く走り出した

直に息が荒々しくなりだしたけれど

とりあえず我慢して15分は止まらずに歩かずに

走り続けてみたのも

村上春樹さんの本に書いてあったからだ

その通りに僕の荒々しい呼吸は

落ち着いてきたし脚の運びもスムーズになっていた

約3キロ強のランニングが

僕の身体を根本から変えてくれたような気がした・・・

 

村上春樹さんの先の著書と並んで

ランナーズバイブルといわれている本が

このBORN TO RUN 生きるために生まれた だ

誰もがこのタイトルを見ると

ブルーススプリングスティーンを思い出すだろう

でもこの本はこの邦題の直訳のように

信じられないけれども「人間は走るために生まれた」のだという事を

この本は見事に魅力的な物語を通じて証明している

400ページを越える大作だけれど

退屈することなく引き込まれる名著だと思う

「人間って凄いな」って

今までと違う観点で誇りに思えますよ

Kamitani Toshio