Toshio Kamitani Design

茶碗の中の宇宙〜樂家一子相伝の芸術〜

2017/01/27

京都国立近代美術館 2016年12月17日〜2017年2月12日迄

京都国立近代美術館 2016年12月17日〜2017年2月12日迄

 

京都は岡崎の京都市美術館に

日展を観た後に行きました

茶道にはまったく疎い私ですが

千利休の唱えた侘び寂びの世界は

それがわかるかどうかは別として

日本独自の美学ゆえに無視出来ない

豊臣秀吉の絢爛豪華な美に対しての

アンチテーゼともとれる利休の美

少しでもその美の体験と理解は

求めたい

 

茶道で使う茶碗の

あの独特の形状と色彩と

今にもほろほろと崩れそうな造形

それらが一体となった美は

美と美じゃないその境界線にいるような危うさ

それが侘び寂びの一面なのかなと思う

 

この展覧会は

千家十職の1つである

樂焼の樂家の初代長次郎から

現在の十五代吉右衛門までの樂焼を

一同に観れる貴重な展覧会

例えば有田焼の柿右衛門のように

1つの確固たるスタイルがあり

それを継承しているのかと思いきや

長次郎作から吉右衛門まで

時に微妙に時にかなりの違いがある

ただ1つの芯というかコンセプトというか

それは繋がっているように見える

展覧会の途中に

琳派の創始者の一人である

本阿弥光悦作の茶碗がある

その茶碗がその代の樂焼の代表に

衝撃を与えたという

つまり

本阿弥光悦の

茶碗という固定概念にとらわれルことなく

自由に大胆な発想が大事だ

ということを樂家に知らしめたようだ

伝統は守ることだけでなく

その時代時代に変化していく

先代のイメージを一旦壊し

そしてまた構築していくというスタイルが

徐々に定着していったようだ

その変化がこの展覧会でとてもよくわかる

私は時間がなく音声ガイドを使用していませんでしたが

使用されたらよく理解出来るだろうと思いました

理解できなくても茶碗の地肌を観て

そのテクスチャに見入るだけで充分に面白いですが

Toshio Kamitani