- 2023年6月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年11月
- 2022年6月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年9月
- 2021年3月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年6月
柳原睦夫 花喰ノ器[大阪府立東洋陶磁美術館]
2022/01/28
中之島にある東洋陶磁美術館のオープニングのポスターは
僕が大学を出て入社したデザイン会社の社長がデザインしていた
その美術館の前を通ってこの展覧会の広告をみた時に
「マジンガーZ」(世代的にはガンダムなど)を思い出したのは僕だけではないだろう
東洋陶磁美術館というクラシカルな名前に相反するアバンギャルドな造形と色彩に
ちょっと度肝をぬいていたが「これは絶対観たい!」とも思わせる強さがあった
去年の夏から開催していていつでもいけるという安心感から随分日が過ぎた
そして今日やっとというかそれに対面することができた
花喰ノ器と題しているからか肉食花を思い出してしまう
事実その造形は似ているしまたその危険度のようなものを
黒とキイロという危険信号の色彩と相まって感じてしまう(小市民的感覚だろう 笑)
展示のところどころに柳原氏の言葉が目につく
その言葉でこの作家の造形と色彩がすっと腑に落ちてストーンと心に入ってくるのだ
そして「美しい!」とため息をつくことになる
「器というものが縄文時代からずっと自分にまでつながっている…」
「弥生の造形に縄文の模様が自然に溶け込んできたこの感覚…」
「陶芸家は口を閉じて立体造形に進んだ 私は口ありきで陶芸にとどまった…」
「純粋美術 前衛芸術…そんなものを全部飲み込んだのがこの作品…」
「所々に出てくる『オリベ』というタイトルには茶人古田織部への尊敬がある…」
私の母校京都市立芸術大学出身というのを知ってとても嬉しい気持ちになりました
京都は「アバンギャルドなものを輩出する土壌がある」といろいろな文献で知るが
ここにもまたそんな大先輩がいたことを誇りに思いました
この展覧会はここ数年でもっとも心に刺さったものの一つでした
Kamitani Toshio