Toshio Kamitani Design

「デザイン力で変わる!」~大きな会社にはできない戦い方がある!小さな企業のモノづくり改革~

2019/09/24

『「デザイン力で変わる!」~大きな会社にはできない戦い方がある!小さな企業のモノづくり改革~』の
セミナーに参加させていただきました。
 
講師は明治41年創業「我戸幹男商店」の四代目 我戸正幸氏。
石川県加賀市の山中温泉地区で生産される
伝統工芸品の山中漆器を製造、販売をされています。
 
職人の手で丁寧に作られる山中漆器は明治時代、温泉客を中心に販売されるようになり
そこから昭和初期にかけて一般家庭の普段使いされる食器として普及していきます。
 
昭和30年頃に生産額のピークを迎えますが
見た目が類似する安価な大量生産品の流通により
生産額は減り続け2000年代には1/4の規模に。
 
そんな状況の最中、正幸氏は前の漆器販売の会社を経て我戸幹男商店に戻られます。
 
 
「重要なのは選択と集中。何でも出来ますは何にも出来ないのと同じ」
 
このセミナーで最も印象に残った正幸氏の言葉。
 
 
「何でも出来ます」と謳っていたが
大衆的で、とにかく安く漆器を作ることしか求められなかった
当時の我戸幹男商店。
 
このままでは山中漆器である必要性はないと
「山中漆器の強みを生かした、山中漆器にしか出来ない新たなモノづくり」を始められ
その技術の凄さはたちまち世間に広まり国内外から評価されたのこと。
 
極限に細く削っても折れにくい強みを生かした山中漆器のワイングラス
 
国内外から多数賞を受賞している山中漆器の茶筒
 
 
セミナーのタイトルにもある「デザイン力」という言葉の持つ意味は
商品の強みを見いだし、どう世間とコミュニケーションを取るか、ということなのでしょう。
 
我々パッケージデザイナーもある意味で商品をプロデュースする立場であり
デザイナーだからこそ開発者とは別の角度で気付ける商品の強みがあると思います。
それをパッケージにどう表現し、消費者とコミュニケーションを取れるかが腕の見せ所ですね。
 
我戸幹男商店 HP
http://www.gatomikio.jp/home.html
 
 
竹村