Toshio Kamitani Design

万年筆で一筆描き_フィーディングレーン

2017/01/30

DELTA Via Veneto万年筆にエルバンのOperaインクを使用

DELTA Via Veneto万年筆にエルバンのOperaインクを使用

 

2月が近づくと

そわそわしていた頃が

懐かしい

それは待ちに待った

渓流の解禁だから

真っ先に解禁になる

岐阜の長良川は

僕にとってある意味聖地といっていい

そんな川

まだ水温が高くなく

渓流魚にとっての餌も

小さな蚊のような物しかながれてなくて

それでも気温の高い日には

渓流魚達が流れの筋を少しずつ上流に向かいながら

餌を食べて水面に小さなリングを残していく

それを見つけると釣り人達は

一斉に川岸に近づき

その小さなリングをめがけて

極小の毛針をありったけの技術でキャストする

しかし

ほとんどの釣り人にとって

それらは失敗に終わる

魚までの距離が遠い事と

流れがフラットなために

魚に毛針の正体がバレることが

大きな原因となる

 

その日もしあなたが一尾のアマゴを釣ったなら

間違いなくヒーローとなる

サイズじゃない

小さくてもいい

ただ一尾が振り向いてくれたら

寒い中一日中待っては

リングを見つけたらキャストを繰り返す

ひょっとしたら一度のリングもないままに

その日が終わることも多い

だから だから

一尾の価値が高いのだ

そんな早春のストイックな釣りが

僕は大好きだ

 

この一筆描きは

そんな釣りをイメージしながら

描きました

Toshio Kamitani