Toshio Kamitani Design

JGFA Year Book 2017 Cover Design & Illustration

2017/06/19

和紙にプラチナセンチュリーFで線画を描く インクはカーボンインクを使用

 

日本ゲームフィッシュ協会様より

2017年度のイヤーブックのカバーデザイン

の依頼があったのは昨年の晩夏の頃

大好きな魚釣りに関する仕事なので

ちょっと特別な想いが出てきます

逆にとても重い気持ちにもなったりします

この協会はゲームフィッシュとあるように

魚を釣って記録をとってリリースする事を

奨励する協会です

世界にもこういう協会があって

ヘミングウェイなんかも参画しているんですね

基本的には糸の強さによってキャッチした魚の重さを

競うということで釣りをゲームと捉える考え方

「細い糸でなるべく大きな魚をテクニックでキャッチすること」

という訳です

ともあれこのイヤーブックに掲載されている魚達は

記録的な魚なので

その表紙にふさわしいデザインって

どんなだろう・・・・

カジキマグロがジャンプしている様子は

まず浮かぶけれども

よほどの新しい表現でないと

新鮮な印象を与えるのは難しい

結構試行錯誤した末に出来上がったのがこのデザイン

このデザインの制作意図が中面に掲載されているので

その文章は以下の通り

「ジャパンゲームフィッシュ協会の記録集イヤーブック2017の

表紙を飾るにはどんなデザインがふさわしいのだろうか?
 
依頼を受けてそんな自問からデザイニングがスタートした。
 
クロカジキがジャンプするシーンやビッグトラウトが小魚を追うシーンなど、
 
様々なゲームフィッシュが浮かんではスケッチを繰り返した。
 
ありきたりでは面白くない。釣りもデザインも面白くなくては!
 
できれば「感動」を与えたいという欲望も芽生えてきた。
 
ある日書店で浮世絵の画集が目に付いた。
 
その当時日本ではその芸術的価値をそれほど見出されていなかった日本独自の世界観。
 
ゴッホをはじめ西洋の画家には浮世絵が
 
見た事のない新しさとオリジナリティ溢れる芸術として大きな影響を与えた。
 
浮世絵の大胆な構図と色彩。
 
私もゴッホのように浮世絵から影響を受けてJGFAの世界観を描きたくなりました。
 
画材は万年筆。釣り竿と万年筆は共に「手の延長」だと感じたから。
 
着色は木版画の行程をMacintoshという現代の道具で再現してみた。
 
このYear Bookに新しい記録がどんどん登録される事を楽しみながら・・・」
 
Toshio Kamitani